チェンジH orange (TSコミックス)チェンジH orange (TSコミックス)
著者:甘詰 留太
販売元:少年画報社


2012年12月に少年画報社(TSコミックス)から発行された、女装・男装・性転換…異性へ変身する物語を集めたアンソロジーコミック作品の季刊誌[チェンジH]の第8号です。

作品としては、上でも書きましたが、前にこのブログでもご紹介した、2009年7月から発行が開始された、女装又は男装の異装子や男性又は女性が、異性の身体になってしまう性転換(変身、女体化、男性化、手術、精神転移、部分変化、転生)、精神の入れ替わりなどのアンソロジーコミック作品を収録した季刊誌[チェンジH]の2011年4月からの休刊期間を挟み、幾つかの連載作品は、休刊の間、月刊誌[月刊ヤングキング]で不定期に連載され、新装刊された第8号に当たる季刊誌で、この8号に収録された、全13作品中、性転換該当が9作品、入れ替わり該当が1作品、女装該当が3作品になります。

多少ネタばれも含みますが、性転換(変身、女性化、男性化、手術)、入れ替わり該当作品の詳細は

性転換(男性化)該当作品[私の好きな先輩] 著者:甘詰 留太
個人的に前に[チェンジH]で掲載されたこの作者様の幾つかの該当作品と同じく、「後天性性転換症」を該当設定にその「後天性性転換症」に掛かってしまった女子校の先輩と肉体関係も持っていた恋人だった後輩の女子校生の視点で、女子校時代の2人の関係と7年後の再会を描いている、女性同士の恋愛及び男性化該当の作品で、この作者様の該当作品の独特な雰囲気やフェティシズム、該当キャラである女子校の先輩が男性の身体になることを選んだ理由などは、面白いと思うものの、該当作品としては人により好みが分かれる所がある作品ではないかと思います。

性転換(女性化、男性化)該当作品[BOY MEETS GIRL GIRL MEETS BOY(ボーイミーツガール ガールミーツボーイ)] 著者:甘詰 留太
2009年7月発行の第1号、2010年4月発行の第3号、2010年10月発行の第4号に掲載された「後天性性転換症に掛った男子生徒と女子生徒」の話で、今回の話は、上の作品と同様に該当キャラの視点ではなく、この話の該当キャラである男子生徒の実の兄の視点で話が進み、話の展開も「後天性性転換症」に掛かった末、互いに性別が変わり、大学の卒業をまじかに控え、女性の身体になった男子生徒が妊娠してしまった事で、高校受験から離れて暮らす、たった一人に肉親である実の兄の元へ結婚の報告に行くという、結婚する娘の父的な話の展開(実際には、女性の身体になった弟の実の兄ではありますが)になっていますので、人により少し好みが分かれる所がありますが、実の兄の戸惑いと女性の身体になり、子供を生みたいと思う該当キャラの心理描写がしっかり描かれていくますので、この著者様の該当作品が好みに合う人には、面白く読める作品ではないかと思います。

性転換(手術)該当作品[ひとよひとよに乙女ごろ] 著者:今村 陽子
この作品は、2009年12月発行の[チェンジH blue(第2号)]から連載が開始され、月刊誌[月刊ヤングキング・2012年12月号]で完結した、前にこのブログでもご紹介した、ご当地ヒーローモノの性転換(変身、男性化)該当作品[ヒーローの秘密]を描かれた作者様の新作にあたる、大正時代的な日本を舞台に、「一等兵である主人公の男性軍人が、人間の能力を高めると言う、軍の強化兵士の実験体に強制的に選ばれた事で、長い黒髪の女性の身体になってしまう」該当設定の話で、話の展開的には連載作品のようですので、まだ作品としての評価は難しい所があると思いますが、女性の身体になったしまった該当キャラの戸惑いなど該当作品の面白さがしっかりあって、今後の話の展開が期待できる作品ではないかと思います。

入れ替わり該当作品[クロスキッス] 著者:綾杉 つばき
個人的に該当としては「スタイルも容姿もいいが、性格のきつい芸能人の女の子と仕事を断る事のできない気の弱いマネージャーが、偶然キスをしてしまった事で、2人の心と身体が入れ替わってしまう」設定の入れ替わり該当作品で、全体的に該当作品らしい話の展開になっていると思いますので、あまり好みが分かれずに読める作品ではないかと思います。

女装、性転換(女体化)該当作品[エクロール side story] 著者:内々 けやき
この作品は、月刊誌[月刊ヤングキング・2011年9月号]から[2012年9月号]にわたり全5話で掲載された、施設などから引き取られ連れて来られた、山奥にある全寮制の学校で、女子制服を着せられ、新たな名前を付けられ、生活する事になった、思春期の少年たちの理由も解からず徐々に女の子の身体に変化して行く自分の身体への戸惑いや悩み、少年達の日常生活などが描かれる、女装、性転換(女体化)該当作品[エクロール]のサイドストーリーに当たる話で、本編を読んだことのない人には、設定や作中の人間関系などがまったく解かりませんので、作品の評価自体は分かれると思いますが、本編を読んだ人には、この作品の独特の雰囲気がしっかり出ている、中々面白い話の展開になっていて、本編を読んだ事のある人には中々面白く読める良い話ではないかと思います。

女装、性転換(変身)該当作品[のぞむのぞみ] 著者:長月 みそか
前にこのブログでもご紹介した、2010年10月に発行された[チェンジH purple(第5号)]から題名を変更し連載が開始された、「女装癖に目覚めてしまったことがきっかけで、ある日、女の子の身体になってしまい、その事を家族や友人に隠し生活する、主人公である少年野球チームに所属する、中性的な顔立ちの男子中学生の女の子になった事への葛藤や日常を細かく描いている」、女装、性転換(変身)該当[のぞむのぞみ]の第1巻の続きからとなる話のようで、この作品も他の連載作品と同様に[チェンジH]に掲載された話しか知らない人には、話の展開がわからず、少しネタバレになりますが、今回の話は夢オチになりますので、人により作品の評価や好みが分かれますが、作中では、男の身体又は女の子の身体の該当キャラ「のぞむ」が、好意を持つ女の子又は尊敬する先輩と肉体関係を持つ夢を見ると言う、該当作品らしい面白さが十分にある話の展開になっていて、この作品が好みに合う人には、今回も面白く読める話になっているのではないかと思います。

性転換(変身)該当作品[えんとらんす!] 著者:ポン貴花田
個人的に今回の話の冒頭では、該当キャラ「佐久間 円」のお願いを間違って叶えてしまい、女の子の身体に変えてしまった白蛇の姿をした神様が女性の身体に変身できる事が語られていますので、第2巻以降の月刊誌[月刊ヤングキング]に掲載された話を読んだことのない人には、解からない部分もありますが、話の展開自体は、ヒロイン「菊野 真姫」に頼まれ「真姫」の父親の神社で、巫女服を着てバイトする事になった「円」が、コタツの中に隠れた、おなじみの変態男子学生「根津」に襲われてしまうと言う、いつものノリの話の展開になっていますので、この作品が好みに合う人には、いつものように面白く読める話ではないかと思います。

性転換(変身)該当作品[リクリオ] 著者:春夏秋冬 鈴
個人的に前に[チェンジH]及び[月刊ヤングキング]にて、女装該当作品[レディーズメイド(全2巻)]を連載されていた作者様の「小柄で痩せ型の男子大学生が、ある日、謎の珍獣に願いをかなえてもらうが、何故か女の子の身体になってしまい、大学で気になる、憧れの女性と一緒にお風呂に入る事になってしまう」と言う該当作品で、絵柄的には多少好みが分かれるかもしれませんが、終わり方を含めて、正統派の該当作品らしい話の展開になっていると思いますので、あまり好みが分かれないで読める良い該当作品ではないかと思います。

性転換(手術)該当作品[バランスポリシー] 著者:吉富昭仁
個人的に作品としては、2010年4月発行の[チェンジH yellow (第3号)]から連載が始まり、完結したと思いきや[月刊ヤングキング]での掲載を通し引き続き連載されている、「女児の出生率が極端に低下した日本で、元の男の子の身体を女の子の身体に作り変えて1年ぶりに帰ってきた、元少年「健二」と親友の少年「真臣」の夏休みの生活を描いている」該当作品で、今回の話もこの作者様の作品らしい話の雰囲気と該当作品の面白さがしっかり出ていて良く、冒頭では、この作品の該当設定を含めた世界観を語られていますので、作中の人間関係が解らない所があるかもしれませんが、この作品をはじめて読む人にも中々解かりやすく読める作品ではないかと思います。

性転換(変身)該当作品[ヒメ・秘め] 著者:七遼
この作品は、「春夏秋冬 鈴」様と同じく、[チェンジH]にて募集している投稿作品からデビューを果たした作者様のある日、朝起きると何故か女の子の身体になってしまうものの、何故か女の子の身体になったことを家族に歓迎されてしまう、中3の元男子学生が主人公の該当作品で、絵柄及び話の展開は、人により、作品の評価や好みが分かれる所がある話ではありますが、該当作品的なお約束シーンはしっかりあり、独特な味わいのある話の展開は、中々面白い該当作品ではないかと思います。

性転換該当作品としては、個人的に今回収録された該当作品は、全13作品中、10作品と多くて良いと思うものの、今回収録された各作品は、幾つかの作品を覗き、ほぼ休刊中に[月刊ヤングキング]で掲載された話の続き又は[月刊ヤングキング]で掲載もしくは完結した作品のサイドストーリーなどが収録されていますので、全体的に1話完結型の連載作品であっても幾つかの設定や作中の登場人物の詳細などがわからない部分があり、巻頭で掲載され、話の終わりには特別記事も掲載されているされている、「昔通っていた高校の文化祭にやって来た、女性としての生活に疲れた主人公のOLが、今は部員2人の寂れてしまった、高校時代に所属していた漫画研究会で、二次美少女のマスクと女性の服を着て、二次美少女になりきる、美少女系人型着ぐるみ「ドーラー」に情熱を燃やす、漫画研究会所属の2人の男子生徒と出会う」と言う話の展開の女装該当作品[ナカの娘なんていないもん(著者:甘詰 留太)]も該当作品としての評価が大きく分かれる話であるために、全体的に人によって話の展開がわかりずらく、作品の評価や好みが分かれる作品も収録されているのではないかと思います。しかしながら、今回収録された各該当作品は、上で書いたようにどれも各作品特有の魅力と該当作品の面白さがしっかりでている話の展開になっていて、この季刊誌が好みに合う人には、今回も十分に楽しめて読める話ばかりではないかと思いますし、人により評価が分かれる、[ナカの娘なんていないもん]自体の話の展開も描かれた作者様特有の面白さがしっかりあって、美少女系人型着ぐるみ「ドーラー」を題材とした話を掲載するなど新たな試みをしているのも、作品収集の面を含めて中々面白いのではないかと思いますので、休刊からの新装刊の言うことで、人により作品の評価や好みが分かれる所がありますが、この季刊誌に収録された各作品に興味がある人や性転換及び女装該当作品が好みに合う人には、今回も面白く読め、次の号が期待できる該当の季刊誌ではないかと思います。
このブログで、ご紹介した各号の紹介文には、下のタイトルから行けます。
季刊誌「チェンジH」(少年画報社)