僕が彼女に寄生中 (一迅社文庫)僕が彼女に寄生中 (一迅社文庫)
著者:瑞嶋 カツヒロ
販売元:一迅社

作品内容
オカルト研究会に所属する気の弱い少年・道人は、同級生・荻野明日奈のうさんくさい魔術実験によって、明日奈の肉体に魂だけが「寄生」した状態になってしまう。幼馴染の文香も巻き込んで、奇妙な三人の共同生活が始まるなか、影では、道人の魂を巡る陰謀が動き始めていた…!第1回一迅社文庫大賞・奨励賞を受賞した期待の新人がおくる、オカルト学園ラブコメディ。

2011年6月に一迅社(一迅社文庫)から発行された、個人的に、設定としては、該当作品だと思うものの、作中の描写や話の展開的に該当作品としての判断が難しい作品ではないかと思う、憑依(精神同居)該当作品です。
少し違うかもしれませんが、該当は「学年で一二を争う美人だが、オカルト研究会に所属し、身勝手な活気な性格で同級生の女子生徒「荻野 明日奈」に強引にオカルト研究会に所属させられ、事あるごとに、怪しげな魔術実験につき合わさせ、毎日振り回されている上に、いつもまずい料理を作りに来る、自分とは別の学校に通っている、ストーカー気質(因みに昔から、道場に通い、鍛えている為か格闘能力も高い)の幼馴染の少女「妹尾 文香」にも振り回されている、基本的にめんどくさがりで、気の弱い性格の男子生徒「天城 道人」は、ある日、一年上の先輩で、オカルト研究会に所属する、学園でも一二を争う秀才で、礼儀正しい性格の女子生徒「呉 瞳」が見つけた、あやしい赤い表紙の本に書かれた「昇霊術(この術は人間の霊魂を抜き出す術で、「明日奈」曰く幽体離脱とが違うらしい)」の実験をいつものように両親の仕事の所為で、一人暮らしをしている自宅で行うことになってしまい、魔術の実験台になることになってしまう。そして、いつもの様に今回も魔術の実験は、失敗に終わると思っていたが、「明日奈」に逆らえず、自宅に行き、「明日奈」と共に描いた「昇霊術」の魔方陣の真ん中に座り、「明日奈」が唱える「昇霊術」の呪文を聞いていた「道人」は、「明日奈」が唱える「昇霊術」の呪文が終わると同時に目の前に出現した雷光の爆発に巻き込まれ、気が付くと、「明日奈」の心臓が止まっていた事から、パニックになりながらも人工呼吸を行なおうと「明日奈」とキスしてしまうが、突然「明日奈」の唇を通して、「明日奈」の身体に取り込まれる感触を感じて、息を吹き返した「明日奈」が目覚めると、傍らには意識を失った「道人」の身体が横たわり、制服姿のまま青白い姿の「道人」の魂が、「明日奈」の身体の背中から生えている、おかしな状態で、「明日奈」の身体に幽霊のような状態の「道人」の魂が憑依し、一応「道人」の魂は、「明日奈」の身体を出入りは自由のようだか、最低でもつま先は「明日奈」の身体に繋がっていて、「道人」の魂が「明日奈」の身体に寄生しているような状態(因みに、強引に動けば「道人」の魂は、「明日奈」の身体から出ることが出来るが、長時間そのままの状態でいると「道人」の魂は、消滅してしまう)になっていることに気が付いてしまう」です。

個人的に作品としては、上でも書いていますが、第1回、一迅社文庫大賞、奨励賞を受賞した、オカルトモノの設定のバトル要素もある、学園を舞台にしたドタバタ系のラブコメ作品で、枚数的に本編250枚程度の作品になっていて、短時間で読みやすい作品になっているのではないかと思うものの、三人称で語られている作品ではありますが、話の展開に作中に登場するキャラクターの心理描写や各種設定の説明などが殆んど説明されておらず、特に話の展開に深く関わる主人公に好意を抱く3人のヒロインが主人公に好意を持った理由やヒロイン達の家族構成、心理描写が殆んど描かれていない事で、作中の登場するキャラクターに感情移入が出来なく、話の展開に読者が置いていかれる印象を受け、人によって、ヒロインの性格に対して、受ける印象が変ってくる作品だとも思いますが、話の展開自体は、伏線なども中々きっちり張られていて、後半のバトルシーンも中々良く、作中に登場するヒロインの1人「妹尾 文香」は中々良い味が出ているキャラクターだと思いますので、全体的に好みが合う人には、普通に読める内容の作品になっていると思いますし、挿絵も良く、描写的には背後霊状態になってはいますが、ひょんな事から幽霊の様になってしまった、主人公「天城 道人」の魂が、ヒロインの一人「荻野 明日奈」の背中に足を入れた状態で寄生している設定は中々面白く、「明日奈」の身体に寄生した状態の「道人」の魂が、「明日奈」の身体の中を出入りが出来ることを発見したシーンの「道人」の台詞回しなど中々面白いシーンもあるのではないかと思いますので、全体的に作品の評価は分かれる作品だと思いますが、この作品に興味がある人は、購入を考えても面白いのではないかと思います。

憑依該当作品としては、個人的に上でも書きましたが、主人公「天城 道人」の魂が、ヒロインの一人「荻野 明日奈」に乗り移った状態の描写が、背後霊的な描写になっていて、この乗り移りに関しての設定の細かい説明が殆んどなく、この設定を上手く使えてない印象を受けましたし、作中に「道人」の魂が「明日奈」の身体を動かすシーンや女性の身体に取り憑いた状態での着替えシーンやお風呂シーンなど憑依モノのお約束的なシーンも無い事から、設定的には魂になった人間が、乗り移った人間の身体を操れる所や乗り移った人間を操り長時間、魂を融合すると2人の魂が1つになる所などの憑依モノ又は乗り移りモノらしい設定になっていますので、設定的には該当作品だと思うものの、挿絵を含めて描写的には、人によって、該当作品としての判断が分かれる作品ではないかと思いますが、上でも書いたように主人公の魂が、ヒロインの背中に足を入れた状態で寄生している設定は中々面白く、作品としても、色々不満点が多いものの、作中に登場するキャラクターは中々個性的で良い味が出ているキャラクターもいて、普通に読める内容の作品ではないかと思いますので、学園を舞台にしたバトル要素もあるラブコメ作品としても該当作品としても、作品の評価は分かれる作品だと思いますが、この作品に興味がある人や自分のように該当作品を収集している人は、購入を考えても良いのではないかと思います。