少年式少女(2)<完> (アフタヌーンKC)少年式少女(2)<完> (アフタヌーンKC)
著者:和田 依子
講談社(2010-11-22)

作品内容
おれがアイツで、アイツは――!!
突然の事故で死んだ少年・タケル。生き残った少女・シキ。だがシキの肉体を、タケルの魂が乗っ取ってしまった! 幼なじみの二人だったが、もう「二人」ではいられない。タケルはシキの魂を戻すため、3年間シキとして生きなければならない。後戻り不能の「女子」としての冒険が始まる!
AV業界を赤裸々に描いて話題を集めた『バーサス!』に続き、四季賞出身作家の大本命が描く、男女心身右往左往冒険漫画!

事故で自分の体をなくしながら、少女・シキの中で成長を続けるタケルの魂。この体
をシキに返すため、タケルはシキとして生きる決心をする。しかし、家族や友人たち
から少しずつ忘れられていく自分の存在を目の当たりにし、タケルの心は次第に追い
つめられていく。そして知らぬ間にシキの肉体との同化が始まった。

2010年11月に講談社(アフタヌーンKC)から発行された、憑依該当作品[少年式少女]の最終巻、第2巻です。
今回の話は、前回の話で、突然の事故で死んでしまうが、事故に遭った時に一緒にいた、隣に住む幼なじみの少女「三浦 シキ」の身体を乗っ取ってしまい、「シキ」の魂を身体に戻すために3年間「シキ」として生活していくことを決意した、主人公の男子「伊東 タケル」は、「シキ」の身体に憑依しているため、「タケル」として認識されず、精神的に追い詰められていってしまうが、「シキ」の担任の教師「前田」に「シキ」の身体に「タケル」の魂が入るところを見られ、「シキ」の身体に入っている魂が「タケル」だと理解してもられたことから、自分自身の死を受け入れ、改めて3年間「シキ」として生活をしていくことを決意したものの、自分が知らなかった「シキ」の学校での生活と人間関係に付いていけず、「前田」に愚痴を言いまくっている所から始まります。

個人的に作品としては、表題作[少年式少女]の第7話から最終話、第15話までが収録され、巻末には書き下ろしの漫画[Onion-A]が収録された作品で、1巻をご紹介した時にも書きましたが、設定(自分は死んでいて、他人の身体を乗っ取っている)も含め、暗く、重い、シリアスな話の展開になっていて、絵柄や描写も含めて、人により好みが分かれる作品だと思いますが、メインキャラクターの「タケル」、「シキ」、「前田」の3人の心理描写がしっかり書かれ、話の展開も面白い、読み応えのある良い作品だと思いますし、書き下ろしの漫画[Onion-A]も短い話ではありますが、面白い設定の作品で、終わり方も一味違った面白い終わり方の作品だと思いますので、1巻が面白いと思った人や絵柄や描写等の好みが合い、この作品に興味はある人には、オススメできる良い作品だと思います。

憑依該当作品としては、個人的に上でも書きましたが、該当の設定(自分は死んでいて、他人の身体を乗っ取っている)も含め、暗く、重い、シリアスな話の展開になっていて、絵柄や描写も含めて、人により好みが分かれる作品だと思いますが、話の展開は面白く、前巻と同じように、憑依モノや入れ替わりモノの他人の身体で、その人間になり済まして生活していく難しさや自分が知らなかった憑依した相手の人間関係、生理を体験する等の憑依モノや入れ替わりモノの面白さは十分あって、シリアスな話の展開の中でも、その生活をコミカルタッチで描かれているのも良いと思いますし、少しネタばれになりますが、該当キャラ「伊東 タケル」の魂が、今の身体である、幼なじみの少女「三浦 シキ」の身体で生活していく内に魂が身体に馴染み、事情を知っている教師「前田」でも、見分けがつかない、女性的なしぐさを時折見せるようになり、そして「タケル」の魂の姿が、「シキ」と同じ姿に徐々に変わっていく所なども性転換や入れ替わり、憑依モノの面白さがあり、該当作品が好きな人には、楽しめるシーンが多い作品だと思います。また1巻も含め、全体的にキャラクターの心理描写に重点を置いている作品で、絵柄の所為も有りますがホラー的な雰囲気も有る、暗く、重い、シリアスな話の展開と設定になっていますので、明る目の話を好む人には、少し好みが分かれる作品ではありますが、性転換や入れ替わり、憑依モノの面白さは十分あり、終わり方も綺麗な終わり方なのも良いですし、話の展開も非常に読み応えのある、個人的にオススメの良作だと思います。
2010年3月に発行された、第1巻です。このブログでの紹介文にはタイトルから行けます。
少年式少女(1) (アフタヌーンKC)
少年式少女(1) (アフタヌーンKC)
著者:和田 依子
講談社(2010-03-23)